(4)「がん」は早期発見できるか?

1 胃がん
早期胃がんは症状は絶対にでない。CEAなどの腫瘍マーカーも上昇しない。つまり症状・身体所見・血液検査では見つけられない。バリウムの検査では進行胃がんしか見つからないと思った方がよい。治療可能な早期胃がんを発見するには胃カメラをやるしかない。できれば1~2年に1回は胃カメラを飲んだ方が良い。現在では早期胃がんは内視鏡手術で治療することが多い。つまり腹を切らないですむ。
2 大腸がん
早期大腸癌はまず症状はでない。CEAなどの腫瘍マーカーも上昇しない。しかし便潜血が出ることは珍しくない。便潜血が出た場合は観念して大腸カメラを受けること。大腸ポリープが見つかることが珍しくないし、早期大腸がんが見つかることもある。大腸ポリープは微小がんを含んでいることがあるので、ある程度の大きさになったら内視鏡で切除する。早期大腸がんは内視鏡手術が一般的。
3 肺がん
早期肺がんはまったく症状がでない。せきなんか絶対にでない。胸部レントゲン写真にも写らない。腫瘍マーカーも上がらない。痰の検査でもわからない。しかしCTでは3~5mm程度の早期肺がんを発見することが可能。要するにCTを撮るしかない。1cm未満で見つかれはまず手術で治る。2~3年に1回ぐらいCTを撮っておくと無難。
4 乳がん・子宮がん
それこそ症状なんかでない。若い人でも発症することがあるので気にする方はぜひ健診を受けること。
5 前立腺がん
排尿障害がでることはあるが、早期ならまず何もない。しかしPSAという腫瘍マーカーでかなり確実に早期発見できる。ただし、確定診断には前立腺生検が必要でこれが結構面倒。60歳以上の男性は2~3年に1回PSAを調べておいたほうが無難。
6 そのほかのがん
食道がんは胃カメラなら早期発見できる。膵臓がんはどうやっても早期発見できない。慢性肝炎などがなければまず肝臓がんにはならない。酒をたくさん飲むくらいでは肝臓がんにはならない。腎臓がんは今時はCTで偶発的に見つかることが多くなった。結構大きくなってからでも治療可能だがケースバイケース。膀胱がんは早期でも血尿がでる事が多い。尿潜血3+なら泌尿器科受診。

治療可能ながんは探しに行かないと見つかりません !!