(9)私の尿管結石
それは突然やってきた。今から20年くらい前だろうか、外来診察を始める前に出すもの出してと思ってトイレに入ったら、右背部にぎりぎりと強烈な痛みが出現。思わずかがみこんでしまった。とりあえず治まったので外来診察室に行ったけど、そこでまた第二弾の痛みが来た。痛くて動けないし吐き気はするし看護師さん達は大慌て。さすがに私は医者なので何が起こったのかは察しがついた。尿管結石。その日の外来は休診に。研修医のおねえさんに点滴されて痛み止めの麻薬を打たれて、痛みは少し治まったがその日は入院。その後のことはあまり覚えてないので、問題なく経過して翌日退院したのだと思う。しっこをガーゼで濾してよく見たら砂粒みたいなのがあった。分析の結果シュウ酸カルシウム。一番普通にある結石の成分。泌尿器科の医者に聞いたら「別に予防法はないよ」とのこと、薬もなし。医者は冷たい。
二回目はその10年後、結構痛かった。三回目は去年の2月頃、この時は軽かった。
そして現在4回目の最中。その日は午後から何となく右下腹部が痛くて腹具合が悪かった。トイレへ行ってガスや便が出ても痛みが全く変わらないのは腸の症状としてはちょっとおかしい。翌日の早朝やはり右下腹部が痛くてしわしわと汗が出る感じ、これはもしかしたら・・・ 診療を休むわけにいかず出勤したが、我慢できる程度の痛みは続いていた。トイレにいったら明らかな血尿、これは尿管結石で間違いない。しょうがないので診療所の廊下を歩いて行ったり来たり、動いた方が石は落ちやすいというが楽じゃあない。その後は強い痛みは来なかったが完全に治まった訳ではなかった。翌々日昼休みに小玉医院へ車をとばしてCT撮影。右の腎臓から少し下の尿管の中に石を確認。その時は痛くなかった。以後水分を多くとって運動も心掛けている。痛みはゼロにはなっていないが全然困らない。しかし痛みがないからと言って石がなくなったわけではない。来月またCTを撮ってもらうつもりだが憂鬱な毎日だ。
要するに、石を予防する薬も溶かす薬も確実に排出させる薬もない、ということです。残念ながら。砕く方法はいろいろありますが。